気仙町Mさんの聞き書きより
「(茶の木の剪定を)うだでぁでなぐにやったんだ」
うだでぁでなぐ?????
どんな意味でしょう?気仙郡語彙集覧稿を引いてみました。
うだでぁな という見出し語で、載っていました。
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うたてやなの転。いやだ。気持ちが悪い。見るに耐えない。すべて気分の悪しきものへの感動忌避の詞。普通ダッデァナという。
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なお、この言葉は、「古事記」「万葉集」にも遡るようである。再び、気仙郡語彙集覧稿より。
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『古事記』上 「猶其悪態不止而轉」,
『万葉集』(12)「何時ハナム,恋ヒズアリトハ,アラネドモ,得田直コノゴロ,恋ノ繁キモ」
とある。
うたては,意志にかかわらず心情がどんどん進む,不快な感情が次第に募るをいう。
『名義抄』に「漸轍転,うたた」とある。気仙のウタデァはこれらの得田直,轉の転。
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実際、うだでぁでなく、とおっしゃっていたのを考えると、
見出し語は、「うだでぁ」、の方がよかったようにも思います・・・
ところで、「うだでぁ」は、青森、秋田でも使われる言葉のようです。
古語が一部地域に残っている、という例ですね。
岩手でも、他地域ではよく使うのでしょうか???